ソフトウェアMIDI音源聴き比べ
今となっては普通になっているMIDI。パソコンと電子楽器などをを接続し情報をやり取りする規格。パソコンで音楽を鳴らすための規格でもあり、ゲームのBGMでもよく使われている。そしてDTMには欠かせないもの。今はインターネットの回線速度、パソコンの記憶容量も発達してほとんど見かけなくなった物のファイルが小さくて軽快に音楽を奏でる事の出来るMIDI音源の素質は大きい。
MIDIファイルを鳴らしたりするにはMIDI音源が必要となる。しかしいざハードウェア音源を買うとなると結構な価格になる。そこで登場したのがソフトウェアMIDI音源である。ハードウェア音源を用意しなくとも高音質なMIDIを鳴らすことの出来るこのシステムは当時人気だった。
MIDI音源の主流
最近ではサウンドカードにMIDIを鳴らす機能がついているものの、さすがに本場のハード音源の音にはかなわないのが現状。自分の使っているCreativeのSoundBlaster Live!に搭載されているMIDI音源(サウンドチップ:E-mu System EMU10K1)は音はきれいだが音に迫力がない。
そこで登場するのがソフトウェアMIDI音源。これはパソコンのPCM音源だけでMIDIを鳴らすソフトでソフトウェアMIDIシンセサイザ(Software Wave Table Synthesizer)と呼ばれる。逆にいえばMIDI音源を搭載していないマシンでもWAVEが再生できればMIDIを鳴らすことができる。最近のパソコンであれば全く問題はないだろうが、CPUパワーを結構使うので、処理能力が低いマシンだとパフォーマンス全体が不安定になることもある。
でも当時としては、このソフトウェア音源が実に画期的なシステムだったのだ。
聴いて比較する
ここでは当時主流だったと思われるソフトウェアMIDI音源の音ソースを用意した。参考までにマシンスペックも書いておく。
- CPU
- Intel Penteum ⅲ 800MHz
- メモリ
- 128MB
- VIDEO
- GeForce2 MX400(VRAM64MB)
- Sound
- オンボード(ESS ES1879)
- Creative Sound Blaster Live!
- OS
- Microsoft Windows 2000 SP4
- 使用ソフト
- WindowsMediaPlayer 6.4
比較音源
オンボード FMシンセサイザ(ハード)[MP3ファイル]
FM音源のため音がこもり、音色も単純に聴こえる。いかにもFM音源らしい音。CPU占拠率 2%
PCIサウンドカード SB Live! MIDI Synth(ハード)[MP3ファイル]
Sound Blaster Live!搭載のMIDI音源。音色は好きなのだがドラム・パーカッションの音が質素に聴こえる。CPU占拠率 2%
Microsoft GS Wavetable SW Synth(ソフト)[MP3ファイル]
Win98インストール時にインストールされるMSのソフト音源。RolandのGS音源を使用しているせいか、多少Rolandの音源の音色に依存する。またMIDIファイルによっては音が出なかったりするのであまり良くないCPU占拠率 4%
Roland Virtual Sound Canvas VSC-88(ソフト)[MP3ファイル]
パソコンにバンドルされていたRolandのソフトウェアMIDI音源。SC-88には匹敵しないが再現されていると言えよう。Microsoft GS Wavetable SW Synthに比べると音は多少良い。私的には迫力があってよいと思う。CPU占拠率 5%
- サンプリング周波数
- 44KHz
- エフェクト
- リバーブ、コーラス、ディレイ、TVF
- 最大同時発音数
- 64音
- 音色セット
- SC-88Map 546音色+15ドラムセット)
YAMAHA SoftSynthesizer S-YXG50(ソフト)[MP3ファイル]
YAMAHAのXGに対応したソフトウェアMIDI音源。前バージョンのS-YG20に比べ音色もきれいになっている。YAMAHAの音は迫力があるとい言うより音色がさわやかな感じがする。しかし音がきれいで奥行のある音が出るがVSCに比べると迫力が欠ける。CPU占拠率 6%
- サンプリング周波数
- 44KHz
- エフェクト
- リバーブ、コーラス、バリエーション
- 最大同時発音数
- 64音
WinGroove(ソフト)[MP3ファイル]
元々はシェアウェア2,000円というソフトウェア音源。安くて必需スペックも比較的低い環境でも高音質を実現できるのでおすすめである。いろいろな問題で騒がれていた経緯もあってある意味有名である。
私的にもWinGrooveの音が気に入っているのでゲームやMIDI聴くときにも利用している。また各WindowsOSに対応。ほとんど問題なく動作するのも良い。しかしGSの一部の音が出ないのが残念。(CPU占拠率 4%)
- レート
- 44KHz
- 音質
- ステレオ、16ビット エフェクト・リバーブ、コーラス、コンプレッサ
個人的には
聴き比べた結果、個人的にはWinGrooveが気に入っている。安い値段で手に入るソフトウェア音源は実に興味深い物がある。