みっくみくにしてやんよ♪ボーカロイド協奏曲
最近は動画共有サイトニコニコ動画でボーカロイドの初音ミクの楽曲がとても流行っています。電子の歌姫としてネットに舞い降りた新しいコンテンツです。一体初音ミクとはどのようなものなのでしょうか?
初音ミクが誕生したきっかけ
初音ミクはパソコン向けの作曲プログラムとして、クリプトン・フューチャー・メディア株式会社が開発した音声合成ソフトウェア、VOCALOID2のキャラクター・ボイスとして誕生しました。もともとは楽器メーカーであるヤマハ株式会社が開発した歌声合成技術「VOCALOID(ボーカロイド)」の技術を活用したもので、まるで人が歌っているかのような自然な声の表現を特徴としています。
音声合成で曲を歌わす技術は古くからありましたが、機械的かつ不自然であり実用するには難しいものがありました。しかしボーカロイドの技術により自然かつ高品質な歌声を再現でき、バーチャル・シンガーとして登場。
そして2004年11月に誕生したのが、バーチャル・シンガー MEIKO(メイコ)です。楽譜に合わせて曲を歌わせることができるため、ボーカルがいなくても好きな曲を歌わせることができ、人気が出始めました。「作曲はできるけどボーカルがいない」「歌詞はかけるけど人間では歌えない」そんな需要を満たしてくれるのがこのボーカロイドでした。
その3年後に誕生したのがこの、初音ミクです。初音ミクはアニメ声優の藤田咲さんの声をベースに開発されました。初音ミクはキャラクターデザインも良く、未来から来たバーチャルアイドルという位置づけで一気に火がつきました。
声だけじゃない!イラストや二次創作でも人気が爆発
初音ミクは日本のSFカルチャーに登場する17歳のアンドロイドと言う設定。見た目も若い女の子で髪型はエメラルドグリーンのツインテール。まるでアニメやゲームに出てくるキャラクターのようなイメージ。そんな愛らしい見た目から、イラストなどもたくさん投稿されるようになりました。
クリエイター達の手により、イラストやアニメーションと初音ミクの楽曲がシナジー効果を生み出し多くの作品が爆発的に誕生しました。またファンによって初音ミクの同人二次創作やコスプレなども人気を博し、昨今の東方シリーズや涼宮ハルヒの憂鬱などに並ぶ一大ジャンルとして確立したもの人気の1つです。
1つの作品から派生する二次創作
とあるクリエイターがニコニコ動画で発表した楽曲に、他の誰かがアニメーションや映像を付けたり、踊り手(ネット動画でダンスを披露するダンサー)が曲に合わせて踊ったり、歌い手(ネット動画で歌を披露するシンガー)が曲を歌うなどあらゆる方面に作品が拡散したことも人気が広がる一因でもありました。これは初音ミクが〜というよりはニコニコ動画による作用でしょうか。
初音ミク自身が主役となっていること
既存曲のカバーや恋愛や社会性をテーマとした歌も多いのですが、初音ミクの中で確立しているテーマとして初音ミク自身が主役となっている楽曲が多いのが特徴です。キャラクターへの感情移入をしやすく、キャラクターへの愛がより深まります。
初音ミクの今後はどうなるのか?
誰でもクリエイターになれる昨今、次々に新作が生み出されることは確実です。さらに初音ミクにつづき鏡音リン・レンがリリースされました。このように今後もボーカロイドシリーズのキャラクターが増えることが予想されます。キャラクターが増えることで作品の幅が広がるだけでなく、コラボレーション作品やシナジーを生み出して今までになかった世界感が広がることも期待できます。
また音声合成技術がさらに進化することで、より自然で人間らしい歌声の実現が期待されます。AI(人工知能)技術との融合なども進みリアルの人間との共創もできるかもしれません。
コミックやアニメーション、キャラクターグッズなどクロスメディア展開も進むことになるでしょう。まだまだ期待できますね。